五 郎 部 俊 朗
Toshiro Gorobe
北海道教育大学卒業。リア・グアリーニ、カルロ・カメリーニ、五十嵐喜芳、伊藤亘行、町井幸子、萩原尚文の諸氏に師事。1986年渡伊、同年ベニアミーノ・ジーリ国際声楽コンクール3位をはじめ、87年ヴィニヤス、88年第3回マリア・カラスなどの各国際声楽コンクールで受賞・入選し、第20回トーティ・ダル・モンテ国際声楽コンクールで第1位、89年第35回トゥールーズ国際声楽コンクールで第2位。第5回マリオ・デル・モナコおよび第8回ヴィルヴィエの各コンクールで第3位。1990年第9回チャイコフスキー・コンクールの声楽部門で「バッハ優秀賞」受賞。'92 ロッシーニ国際オペラ・コンコルソ入賞。
1988年トレヴィーゾ市立劇場での「ラ・チェネレントラ」のドン・ラミーロでオペラ・デビュー後、コルトーナで「セビリアの理髪師」、ピストイアで「ファウスト」、スイスのビール市立歌劇場の「ドン・ジョヴァンニ」「魔笛」などに出演。
1990年秋帰国し、11月に藤原歌劇団の「ドン・ジョヴァンニ」のドン・オッターヴィオで日本でのオペラ・デビューを飾り、続いて「ラ・チェネレントラ」で絶賛を博した。その後も「夢遊病の女」のエルヴィーノ、「セビリアの理髪師」のアルマヴィーヴァ伯爵で成功を収め、1996年には「東洋のイタリア女」(日本初演)のゾンゾンで好評を博す。また、藤原歌劇団の千葉公演や文化庁青少年芸術劇場公演などの「愛の妙薬」のネモリーノでも高い評価を得ている。新国立劇場には1998年「セビリアの理髪師」(藤原歌劇団共催)でデビューし、2000年公演にも出演。
その他、<東京の夏>音楽祭「なり行き泥棒」、東京フィル・コンチェルタンテシリーズ「アルジェのイタリア女」、「ワールド・オブ・モーツァルト」、NHKニューイヤー・オペラコンサートなど各種コンサート、「カルミナ・ブラーナ」「第九」のソロなどで活躍し、リサイタルも開催。特にロッシーニやモーツァルト、ベッリーニの作品を得意とするレッジェーロ・テノールで、軽やかな高音は独特な魅力を醸し出している。レコーディングにはシューベルトの「冬の旅」、「舞踏への誘い〜イタリア歌曲の世界〜」、「日本のうた」、「藤山一郎とその時代〜歌は美しかった」がある。